見守りサービスの紹介企画『こんな見守りサービスあったのか!?』。
第五回目となる今回はQRコードとWEB伝言板を活用した見守りサービスを紹介したいと思います。
さて。突然ではありますが皆さん。
認知症による徘徊を原因とした行方不明者がどれくらいいるか、ご存じですか?
その数なんと年間1万人超。さらにこの数は警察への届け出人数であるために、実際にはさらに多くの人が行方不明となっているものと予測されます。
その大部分は数日中に警察などに発見・保護されているのですが、中には保護されることなくお亡くなりになってしまわれた方、今もなお行方不明のまま見つかってない方などもいらっしゃいます。
そのような徘徊による悲劇を起こさないために開発されたのが、今回ご紹介するサービス『どこシル伝言板』です。
『どこシル伝言板』は、株式会社みらい町内会が今年の10月から展開している新サービスです。
サービス内容はいたってシンプル。QRコードが印刷された布製ラベルをあらかじめ利用者の衣服に貼り付けておき、利用者が行方不明になった際には発見者がこのQRコードを携帯・スマホなどで読み取ることで専用掲示板にアクセス。現在の場所や健康状態などを入力することで保護者に通知メールが届く仕組みとなっています。
QRコードを活用したサービスはこれまでにもありましたが、『どこシル伝言板』は、
といった点が優れています。
QRコードやWEB掲示板といった、言ってしまえば有り触れた技術の組み合わせから誕生した『どこシル伝言板』。
日常的に触れる機会の多い技術の組み合わせだからこそ、直感的な操作で扱うことができるのは大きな魅力ですね。
気になる利用料金ですが、初期費用・月額費用などは不要で、衣服に取り付ける布製ラベルのみを購入すれば利用できるようになっています。
ラベルの料金は、30枚セットで1980円、50枚セットが2980円、100枚セットが4980円とのことです。
徘徊高齢者を救うために迅速な発見・保護が必要なのは言うまでもないことですが、もうひとつ大事な点があります。
それは発見された後の身元確認にかかる時間・労力を軽減することです。
行方不明者と思われる高齢者を発見したが、身元確認ができない。認知症の方とどのように接したらよいのか分からず大変だ。
このような苦労をされている警察の方は多いようです。
『どこシル伝言板』は、このような身元確認にかかる負担を軽減することも目指して開発されたそうです。
慣れない環境・初対面の人との会話は、認知症の患者自身にとっても大変なストレス。
こういったストレスが原因で、BPSD(認知症の周辺症状。徘徊やせん妄、抑うつといった認知症によって発症する二次的な症状のことを言う)がさらに悪化することもあると言われていますので、スムーズな身元確認を支援するサービスは、患者さまご自身・現場で対応される警察官双方にとってうれしいサービスですよね。
『どこシル伝言板』は第三者である発見者の方が伝言板を通じて通知を行う形式の見守り・安否確認サービスですので、社会的な認知度の向上、利用者数の増加がそのままサービスの利便性につながるタイプのサービスだと思います。
同システムでは伝言板の事務局(管理者権限を持つユーザーのこと)を、みらい町内会以外に持たせることも出来るそうなので、高齢者の行方不明問題に頭を悩ませている自治体の方などは、導入をご検討されてみてはいかがでしょうか?
行方不明認知症高齢者0(ゼロ)への取り組み ~どこシル伝言板~
(株式会社みらい町内会 プレスリリースページ)