厚生労働省の発表によると、認知症患者の数は2012年の時点で462万人おり、団塊世代が後期高齢者の仲間入りする2025年には700万人を超える見通しとされています。
これに認知症予備群とされるMCI(軽度認知障害)を加えるとその数なんと1300万人。国民の10人に1人が認知症とその予備軍となる未来がやってくるのです。
増加する認知症患者をいかにケアしていくかといった問題も大事ですが、できることならば認知症にならずに健康的な老後を過ごしたいものですよね。
そんな願いを持つ方々に朗報です。
週刊ポスト12月18日号に認知症の予防・改善に役立つ情報が掲載されていたので、ご紹介します。
冒頭にてご紹介した記事によると、将棋やチェスといった対人ゲームを楽しむことで、認知症の発症リスクが大幅に軽減できるとのこと。
記事中にて紹介された研究報告・事例によると、
などなど、対人頭脳ゲームの高い認知症予防効果が紹介されています。
これらの対人ゲームが認知症予防に効果的である理由ですが、局面を読むことや対戦相手との駆け引きによって頭を使うため、脳の神経細胞が活発になり「認知予備力」が高まるからだそうです。
「認知予備力」という言葉に聞きなれない方も多いかと思いますが、言ってしまえば脳内における予備ルートを維持・構築する力のことです。
脳内の神経細胞は網目状に繋がっているために、たとえ一部分の神経細胞が損傷・死滅したとしても、他のルートに回り道することで、認知機能を維持することができます。
「認知予備力」を高めることで、脳内のネットワーク機能を維持し、万が一の時の迂回路を確保しておく。
そのためには将棋やチェスといった対人ゲームで、日ごろから脳の機能を活発にさせておくことが大事というわけですね。
これらの対人頭脳ゲームは、似たようなことを反復するだけの計算ドリルのような脳トレよりも認知症予防効果が高いことがわかっているそうで、日々の認知症予防対策に積極的に取り入れていきたいものですね。
特に将棋・囲碁教室に通うことは、高齢者が陥りがちな孤独感からの脱却、教室に通うことによる定期的な有酸素運動の実践という意味で、より一層の健康効果が期待できそうです。
そういえば、将棋棋士の加藤一二三さんは今年で75歳になられますが、今なお勝負師として現役で活躍されてらっしゃいます。
将棋の解説役として公の場でお話をされることも多いですが、独特の早口トークで一度喋り出したら止まりません。
加藤さんの活躍を見ていると、将棋を指すとボケないというのは本当のことなんだろうなぁと感じます。
皆さんもこれを機に、将棋や囲碁、チェスなどで遊ばれてみてはいかがでしょうか?