独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)の製品安全部門が、「福祉用具による高齢者の事故にご注意ください」といったタイトルのプレリリース(報道発表)を公開しました。
この報道発表には、介護ベッドや電動車椅子の使用中に発生した事故の統計情報や福祉用具の使用にあたっての注意喚起、事故を予防するための対策などが記載されています。
ご高齢者様を支援し、自立を促すうえで欠かすことのできない福祉用具。
一方、安全にご利用いただくためには、事前の十分な確認作業と製品の適切な使用が必要不可欠です。
本日は冒頭で紹介した製品評価技術基盤機構の記事の内容も踏まえつつ、福祉用具(特に介護ベッドと電動車椅子)の使用について見ていきたいと思います!
以下は、冒頭で紹介した記事内で紹介されている、介護ベッドと電動車椅子のよくある事故事例およびその対策です。
- 介護ベッドの隙間に頭や手足を挟み込み、死亡・重傷等の重篤な被害を負った。
… 使用する際は、頭や手足が入り込みそうな隙間が無いか確認し、カバーやクッションで覆ったり隙間の小さい部品に交換する- 電動車いすで走行中、道路から用水路、河川等に転落して死亡した。
… 幅の狭い道路やガードレールがない道路などの走行時は路肩に寄りすぎない- 電動車いすで走行中、踏切内で列車と接触して死亡した。
… 踏切の走行は可能な限り避け、通行する際は脱輪したり線路の溝にタイヤが挟まらないようハンドルをしっかりと握り、線路に対して直角に渡る。また、充電は十分に行っておく。独立行政法人 製品評価技術基盤機構 製品安全センター
「【製安プレスリリース】福祉用具による高齢者の事故にご注意ください」より引用
これらの事例および対策を見ていただければ分かるように、福祉用具事故の大部分は使用前および使用中に十分な注意を払うことで、未然に防ぐことが出来るものです。
製品評価技術基盤機構では、JIS規格の改正なども含めて関連する行政機関や業界団体とともに事故防止の取り組みを強めていく一方、それと併せて福祉用具を使用されるご高齢者様自身、ご自宅や病院で介護に携わるご家族や施設の職員の方々に対しても、事故防止に向けて注意喚起を行っていくとしています。
少し話は変わるのですが、皆さんは「ハインリッヒの法則」をご存じでしょうか?
ハインリッヒの法則とは労働災害における経験則の一つで、「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」というものです。
今回取り上げた福祉用具の事故についても、生命を脅かすような重篤な事故の前には、事故には至らなかったものの一歩間違えれば大惨事になっていた軽微な異常(ヒヤリハット)が多数存在していたのかもしれません。
「なんかこのベッド、安定しないな」「最近、車椅子の動きが悪いんだけど……」
そういった些細な異常を軽視せず、細やかなケアを行っていくことが、重大事故のない安全な社会を作りには必要なのかもしれませんね。
私たちの「見守りサービス」では、定期訪問の際にご利用者様の日々のお悩みや不安などをお伺いしております。
些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。
日常の中の「ヒヤリ」をご共有し、共に対策を考えることで、ご利用者様の安心・安全を守る一助となることが出来れば幸いです!
日常の「ヒヤリ」が現実になる前に、『見守りサービス』のご利用をご検討ください。