兵庫県相生市が65歳以上の高齢者もしくは認知症患者を対象に「あんしん見守りグッズ」を配布する「あんしん見守り事業」を始めました。
対象となるご高齢者自身またはその家族が市の健康介護課へ申し込むことでグッズを受け取ることができます。
配布されるグッズは5種類で、緊急時の連絡先などが記載されたカード、持ち物用シール、衣服用シール、お守り型のキーホルダー、暗所で光るシリコンバンドとなっており、いずれも万が一の事態における迅速な対応・連絡を可能とするためのグッズとなっています。
あんしん見守りグッズを受け取る際に登録した情報は、相生市の健康介護課および相生署が共有して管理。土曜日、日曜日や祝日・夜間などは警察が主体で対応できる体制となっているとのことです。
また登録者に対しては在宅介護支援センターの職員が年に一度訪問し、生活情報などをヒアリングの上、適宜登録情報を更新していくそうです。
高齢者の安全を守るために地域が協力するといった動きは、相生市に限った話ではありません。
高齢化が進む中、いかにして地域の高齢者たちの安全を守っていくか。この問題について全国各地の自治体は日々知恵を絞っています。
兵庫県のたつの市では外出が難しい高齢者を支援するために、宅配や訪問サービスなどを行っている店舗情報をまとめた冊子「生活いろいろお助け帳」を作成し配布したとのことです。
このお助け帳には「日用品・薬品」「食品・食材」などの10のジャンルごとに市内の52業者を掲載。取扱いサービスと併せて営業時間や連絡先が記載されているため、外出困難な高齢者でも安心してサービスを利用できるようになっているとのことです。
また掲載事業者側でも訪問時に異変があれば市と協力・連携して対応するようになっているとのことで、簡易的な見守りサービスとして機能することも期待されています。
高齢者見守りのためのグッズ配布については、冒頭で紹介した相生市の事例以外に、神奈川県の相模原市における「安救さんグッズ」があります。
シンボルキャラクター安救さんが印刷されたシールと、緊急情報カードやブザー、LEDライトや防寒シートといった安心グッズを配布することで、ひとり暮らし中の高齢者を支援を行っていました。
最近ではセンサー見守りや無線ビーコンを活用した地域見守り事業を行っている自治体もあり、地域による見守り事業は今後もますます拡大・発展していくものと思われます。
どんどん広がっていく地域見守りの輪。これからの展開に要注目です!