2010年1月、NHKスペシャルにてあるドキュメンタリー番組が放送されました。
『無縁社会~“無縁死” 3万2千人の衝撃~』と題して放送されたこの番組は、地縁血縁社会の崩壊や、行き過ぎたブライバシー保護が招くコミュニティの崩壊、そしてそれによって引き起こされる孤立者たちに焦点をあてたものでした。
その内容は、多くの視聴者たちに衝撃を与え、この番組から誕生した「無縁社会」という言葉は、その年の流行語大賞トップテンに選ばれています。
さまざまな議論を生んだ放送からはや6年。
恐るべき速さで変化をし続ける社会の裏で、その変化についていけず孤立する人たちは今もなお増え続けています。
とりわけ身寄りがおらず一人暮らしをしている高齢者、いわゆる独居老人の孤独・孤立は深刻といえるでしょう。
内閣府が公開している「平成26年版高齢社会白書(全体版)」によると、2012年時点の日本国内の世帯数は4817万世帯で、そのうち65歳以上の高齢者がいる世帯は2093万世帯となっています。
平成26年版高齢社会白書(全体版)
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向より
この数字は全世帯数の43.4%にあたる割合で、日本の高齢化がいかに進行しているかを裏付ける数字となっています。
先ほど紹介したグラフをもとに、高齢者がいる世帯について、さらに詳しく見ていきましょう。
まず「三世代世帯」については減少傾向が見て取れます。社会の核家族化を象徴しているといえるでしょう。
一方で、「親と未婚の子のみの世帯」は微量ではありますが、増加傾向にあります。
この結果を受けて、いわゆるパラサイトシングル(親に生活基盤を依存する未婚者)の高齢化を示すデータだと見る向きもありますが、その検証については他の記事に譲ります。
注目していただきたいのは、高齢者の「単独世帯」と「夫婦のみ世帯」の項目です。
調査年度によって多少のばらつきはありますが、全体として増加傾向を示しており、さらにこの2つの世帯を加えると、全体の過半数を超えてしまいます。
つまり、高齢者のいる世帯の半分以上は、高齢者のみで生活を営んでいる世帯ということになります。
こうした一人暮らし高齢者の増加傾向は今後も続くとみられ、同白書に掲載されている予測によると2025年には65歳以上の男性240万人、女性471万人もの人が一人暮らしで生計を立てることになると予想されています。
高齢者の一人暮らしが抱える問題として、真っ先に思い浮かぶのが孤独死の問題です。
孤独死については法的な定義づけが存在しないため、公的機関による統計資料などは存在しません。
しかしながら、民間会社などが調査したデータによると、一年間のうちに4万人以上もの人たちが、人知れず亡くなっているそうです。
悲しいことにこの数字、年々増加の傾向にあり、10年後には年間10万件を超すなんていう恐ろしい試算も存在します。
こういった孤独死の問題は、冒頭で紹介したNHKスペシャル『無縁社会』でも取り上げられていました。
家族との縁、社会との縁が薄れていき、誰とも会話をせず、誰に知られることもなく朽ちていく。
亡くなられた方の本名・本籍地などが分からず、遺体の引き取り手も存在しないような死者のことを、法的には『行旅死亡人』と呼ぶそうなのですが、孤独死される方の中には、亡くなられた後もその詳細が判明せず、この『行旅死亡人』として処理されるケースが多々あるそうです。
無論、一人暮らしをされている高齢者のすべてが社会から孤立している、孤独死をすると言っているわけではありません。
一人暮らしをしていても積極的に地域社会に参加されている元気なお年寄りはいらっしゃいますし、そもそも自らの意思で一人暮らしを望まれている高齢者も多数いるわけで、そのような意思は大いに尊重されるべきです。
とはいえ、現実として独居老人の孤独死は増加の傾向にあり、深刻な社会問題になっていることも事実です。
高齢者の孤立と関連した話ですが、国立社会保障・人口問題研究所の調査により、一人暮らしの高齢者は会話頻度が極端に少ないことが分かっています。
調査の結果によると、独居高齢者の実に40.8%は、3日に1度しか他者と会話をしていないことが判明したそうです。
さらにこの孤立傾向は男性になると顕著で、実に16.7%もの高齢男性が2週間以上誰とも会話をしていないとの調査結果が出ています。
この数字は、全年齢平均の2.1%と比較しても明らかに大きな数字であり、高齢男性の社会的孤立が心配されます。
高齢者の一人暮らしにはさまざまな不安が付きまといます。
それは突然倒れたらどうしようといった大きなものから、身の回りのことに関する小さなことまでさまざまです。
以前、高齢者の方たちに日常のお困りごとに関してヒアリングを行ったのですが、電球交換や室内の模様替え、水回りやエアコン等の修理といった、お住まいのことに関するお悩みを抱えてらっしゃる方はかなり多いようです。
その一方で、このような様々な不安や悩みを抱えながらも、そうした悩みを他の人に言い出すことができないとも仰っていました。
ご家族と疎遠になっている方はもちろんのこと、ご家族との関係が良好なご高齢者についても、家族に迷惑を掛けたくないなどの理由から、悩みや不安を相談することが出来ずにいるそうです。
こうした傾向は一人暮らしをされているご高齢者に共通してみられる特徴のようで、一人暮らし世帯の男性の20%および女性の8.5%が、困ったときに頼れる人がいないと答えています。
上記画像は、高齢社会白書(2015年版)における「困ったときに頼れる人がいない人の割合」をグラフ化したものですが、男性・女性ともに一人暮らし世帯の数字が飛びぬけて高いことがお分かりいただけるかと思います。
ここまでのデータを踏まえてみても、一人暮らしをされているご高齢者の多くが、社会的孤立状況に置かれており、さまざまな悩みを抱えながら生きてらっしゃることがうかがえます。
その多くは話し相手がいないことによる孤独感、いざという時に頼れる相手がいないことによる不安です。
ご家族の支援、地域社会の支援によって、これらの問題が解決できれば良いのですが、現実にはそれが難しいケースもあるでしょう。
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この記事にて取り上げた社会からの孤立やコミュニケーションの減少、孤独死といった問題もそうですし、介護職員の不足に起因する介護サービスの供給不安といった問題もあります。
増加の一途をたどる社会保障費と相反するように減少していく年金受給額。経済的な悩みや不安を抱えている人もたくさんいそうです。
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