みなさまこんにちは。
今回は、シニアホームケアビジネスを進めるにあたっての一つのポイントとなる、消防本部への説明について書きたいと思います。いくつかの消防本部へ、クライアントさんと一緒に足を運び、連携の了承をもらっていますので、その説明のコツなどをお伝えできればと思います。
はじめに確認しておきますが、このプロセスのゴールは①コールセンターから本部へ直接連絡の了承をもらうこと、②接続するための消防本部の電話番号を入手すること、の2つです。
そのために、地域の消防本部に足を運んで説明するのですが、ノーアポで本部に訪れた場合、各部署を回されて、最終的に“指令”と言われる部署が対応窓口になるケースが多いです。
まず一つのポイントとしては、今回展開していく「見守りサービス」の理念や会社としての思いを熱く語ることだと思います。
「地域のお年寄りの生活を行政機関の方々と連携しながら、当社としてもサポートをしていきたい」
そうした考え方に対して、誰も異議を唱える人はいないでしょう。おそらく、ほぼすべての方が「わかりました。いいことですね。」と言ってくれると思います。
このとき担当の方によっては、「役所とはお話しされていますか?」と聞かれることがあります。
できる限り、市役所の福祉課などに足を運び、「見守りサービス」について説明をしておくとよいでしょう。
ただし、福祉課の担当者に話したところで、とくに反応はありません。
「あ、そうですか。わかりました。」という反応がパターンですが、それでいいのです。話をしたという事実と担当者の名刺があればOKです。
次に、接続依頼書 兼 対応フローチャートについて説明をし、消防本部に救急要請をする了承を得ていきます。
このときにポイントとなるのは、2ステップで攻めることです。
第一ステップは断りようがないことで攻め、最初に「Yes」と言ってもらいます。
具体的には、「何かあった場合には、協力者(ご家族含む)または弊社スタッフが現場を見て、必要があれば119番で救急要請をさせていただきます。これは大丈夫ですよね?」と切り出します。
現場を確認して、何かあったら救急要請をするというのは、ごくごく当たり前の行為です。
例えば、道を歩いていて苦しんでいる人がいたら、本人でなくてもその場で救急車を呼んであげるのと同じことです。
当然のごとく、消防の担当者は、「それはもちろん、119番してください。」と応えてくれます。
次に、こう切り出します。
「もしかすると、緊急ボタンをコールセンターが受けた際に、現場を見る間もないくらい、本当に急を要する場合もゼロではないと思うのですが、その場合はコールセンターから直接こちらの方へ救急要請をさせていただきたいのですが・・・」
あくまでも、現場を見た上での要請が主であり、コールセンターから直接はイレギュラーであるというニュアンスで話をしていきます。(実際には、確率的にどちらが多いかは運用次第です。)
「それは、人命が第一ですので、その場合は直接コールしてください。」と言ってもらえるケースがほとんどでした。
あとは、消防の立場としては、緊急ボタンを押して何でもかんでも救急で呼ばれることをイヤがります。
そのため、「必要度や緊急度はコールセンターで一旦受けて、看護士などの資格をもったコールスタッフが判断しています。」というのも、消防の担当者が了承する後押しになるでしょう。
次に接続する電話番号の入手です。「コールセンターが24時間体制で運営しているのですが、場所が富山にありまして。そこから119番をしても富山の消防につながりますよね。こちらのどの番号におかけさせていただいたらいいか、教えていただけるとありがたいのですが。」
多くの場合、名刺交換をすると消防本部の代表電話番号が記載してあります。そこにかければ指令につながるという答えです。
先手を打って、「このお名刺のお電話番号にコールさせてもらってよろしいですか?」というのもアリだと思います。
消防本部は多くの場合、市町村管轄です。やはり彼らも公務員ですので、横並び意識が強いです。
「他の地域の本部さまでも同様にお話しさせていただいて、ご了承いただいております。」という一言もクリーンヒットとなるでしょう。
※この記事は株式会社船井総合研究所の協力のもと、同社発行の「シニアホームケアジャーナル」を一部改訂してお届けしています。