見守りサービスを依頼するのは、高齢者ご本人ではなく、息子さんや娘さん、もしかするとお孫さんなど、ご家族が依頼されるケースが圧倒的に多くなると想定されます。離れて暮らしているおじいちゃんやおばあちゃんのことを心配して、見守りサービスを頼みたいというケースです。
おそらく、多くの人々が共通して持っている思いとして、
「本当はもっと親孝行したい」
ということがあると思います。
これに対して、
「自分は親孝行している!」
と胸を張って言い切れる人はどのくらいいるでしょうか。
おそらく、大多数の人たちは「親孝行したい」と思っていながらも、現実問題として、
・遠く離れているから
・忙しくて時間がないから
という理由で、親孝行ができていないというのが現状ではないかと思います。
そうした状況に対して、遠く離れたご家族に代わって、あるいは忙しいご家族に代わって、親孝行のお手伝いをするのが見守りサービスの「本質的な意味」ではないのかと私は思います。
セコムやアルソック、東急セキュリティなど大手警備会社も、自社のセキュリティサービスとして「シニアセキュリティ」や「高齢者見守りサービス」を商品化しています。
よくいただくご質問として、
「警備会社の高齢者向けサービスとどう違うの?」
ということがありますが、私はこれらのサービスと、シニアホームケアビジネスで想定している「見守りサービス」は決定的に違うと考えています。
警備会社がウリにしているのは、
◆緊急時かけつけサービス
です。既存の警備詰め所というインフラを活用して、緊急時にはすぐに警備員を派遣しますよというのが彼らのサービスです。
緊急時かけつけサービスの本質は「異常発生時の事後対処」です。
しかし、ご家族の立場として、はたしてこの異常時の事後対処が本当にほしいのかと私は疑問を抱きます。
一方で、「見守りサービス」のウリは
◆定期訪問サービス
です。月1回訪問することで、人は人と会うと頭も心も活性化します。
頭や心が活性化すると、身体も元気になるでしょう。元気を維持するお手伝いをするのが定期訪問サービスなのです。
あるいは、毎月の訪問のなかで、ちょっとした変化に気づくことができるかもしれません。そうした変化をご家族にお知らせすることで、お身体が弱ったり、認知が進行することを早期発見し、早期対処ができることもあるでしょう。
お正月とお盆しか会えないようなご家族に代わって、その合間の期間を月1回の定期訪問でカバーしていく。元気を維持するお手伝いをしたり、ちょっとした変化を早期発見・早期対処につなげていく。
そうした「日常の元気」を見守っていくことこそが、この見守りサービスの「本質的な意味」だと思うのです。
遠く離れたご家族、親孝行をしたいのにできないご家族にとって、大切なのはどちらでしょうか?
「何かあったときの事後対処」
でしょうか?
「日常の元気を見守ること」
でしょうか?
みなさまはいかが思われますか?