コストダウンの進め方

シニアホームケアビジネスを進めるうえで、見守りサービスで獲得した顧客を、住宅リフォームなどの高単価商品に結び付けていくことは重要です。

今回はそんなリフォームのコストダウンの方法をご紹介します。

メーカーと交渉の流れ

交渉手順商品の掛率を下げるためにも、メーカーさんとの交渉は必要になります。
商社(卸)さんとともに交渉を進めていく必要があります。

当たり前にご存知の構造でしょうが、メーカー→一次商社(卸)→二次商社(卸)→…→販売店、という流れです。

まずは風上に近い商社と付き合わなければなりません。

いくら交渉しても風下だと、そもそもの入値が高いので、どうすることもできません。

やはり力を持っている一次商社と直接か、そこと付き合いのある二次商社から仕入れなければなりません。

また、交渉するに当たって、過去の年間の販売実績を明確にせねばなりません。

昨年度、SK、UB、トイレ、洗面台がそれぞれ何台発注したのか、金額でいくら発注したのか、を明確にするのです。

このとき、大体○台、大体○百万円と仰る方が多いですが、それではまず掛率は下がりません。

発注量が少ない会社ほど、「大体」が多いです。
間違いでは無いのでしょうが、それでは相手にヤル気と誠意が伝わりません。その準備が重要です。

皆さんの会社でも、ダメ社員ほどアバウトな数字を持ってきて、デキル社員ほど正確な数字で計画を立てていませんか?
それと同じです。

ましてや相手はメーカーや商社です。

次に、来期はこういう販促計画を行うから、という根拠の元で○○台(金額で○○万円)発注する予定です。ということを伝えます。
今後のビジョンも含め、何度も話をすることが重要です。

もちろん絵空事としか受け取らない担当も多いでしょう。

しかし、中には新規開拓したい卸の営業マンや、シェアを高めたいと考えているメーカーの担当者もいます。そういう担当者と出会えば、可能性はグッと高まります。

そして、とっておきのコストダウンの方法があります。

それは、「決算期を狙う」です。

どんな商社であれ、営業マンは決算期には売上げ予算を達成しなければならないため、必死にアプローチをかけてきます。

そこでこちらから営業マンに提案するのが、「トイレ10台現金買い」です。

いわゆる下グレードのモノで構いません(TOTOならピュアレストQR、INAXならアメージュZ)。

これを指値で10台買います。具体的には@5万円が目標です。

何とか予算を達成したい営業であれば、これは効きます。

もしくは課の予算が未達成の営業課長あたりに持ちかけてみるのも非常に有効です。

これを設置工事込みで9.8万円でチラシやイベントで打ち出すと、間違いなくインパクトがあり、10台くらいだとスグに売れます。
(もちろん20台でも30台でも構いませんが、資金繰りとの兼ね合いでお願いいたします)

標準工事費は、トイレの単純入れ替え工事の場合(リフォームタイプだと排水芯の移設も不要)、半日で済む工事なので、1人工の1.5~2万円です。

商材5万円+標準工事1.5万円=6.5万円であれば粗利率33.6%で、目標となる35%は切りますが、目玉効果を考えれば十分です。

さらに、目玉商品なので工事日指定にすれば、1日で2件施工ができて、半人工で済みます。
そうすれば、粗利率はさらに高まります。これもコストダウンの一つです。

年に1回か2回(半期決算)くらいしか使えない方法ではありますが、売れそうに無いモノを買わされて在庫を抱えるよりも、確実に売れそうなものを安く買うのが一番確実です。

ありがちなケースだと、ちょっとでも売上げを積み上げたい営業が、単価が低いということで「洗面台を何台かお願いできないか」とぃうケースがありますが、断然トイレです。

※この記事は株式会社船井総合研究所の協力のもと、同社発行の「シニアホームケアジャーナル」を一部改訂してお届けしています。

公開日:2016年1月13日  カテゴリー:
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