先日、見守りビジネスの展開のヒントを得るために、クライアント企業様と既にお付き合いのあるケアマネージャーさんのヒアリングに行ってきました。
ケアマネさんにも様々なタイプがいらっしゃいます。大きく分けると「内マネ」「外マネ」と大別することができます。
「内マネ」とは別名「ひも付き」とも言われ、事業所や施設に所属し、施設の意向を酌んで、必要以上にサービス付けるケースや、自社関連内で消化するプランを作ることが多い傾向にあり、先日の朝日新聞での特集でも取り上げられていました。もちろん真面目な方も数多く、理想と現実に悩まれているケースも多いようです。現実的な比率はこちらの方が多いです。
「外マネ」は事業所などに所属しない独立タイプの方々で、本当に必要なサービスを取捨選択して提供することを目指されているケースが多いです。しかし一方で経営的に厳しいことも多く、ボランティア精神が強い方や、思想的な面を強く持っている方がいらっしゃったりすることも注意せねばなりません。
今回は両タイプのケアマネさんにヒアリングし、ケアマネさんが困っていることを伺いました。
お困りごととして圧倒的に出てくるのが「認知症」へ対応でした。「認知・高齢・独居」は3点セットで課題だそうです。
具体的には次のようなことが挙がりました。
・昼食後・夕食後・寝る前などに「お薬飲んだ?」と毎日連絡を入れることが大変で、家族の負担が大きい。
・電球が切れた、は需要が多い。
・トイレがよく詰まる(パット)
・認知の独居は寂しくて何回も電話がくる。
・朝のゴミ出し・食事(同時間帯に一斉)・そうじ。
・ガラス磨き・庭の手入れ・ドブ掃除はヘルパーはできないので、対応できる人。
・買物同行・遠い病院への同行。
といった内容です。
具体的なお困りごとは、受け持たれているご利用者により異なってきます。要介護度、認知症、所得水準、家族の協力度などにより、大きく変わってくるからです。
しかし、共通しているお困りごとは、「安心して任せられる先」「忙しいのでケアマネの負担を減らしてくれる相手」「一ヶ所で頼めるところ」が求められていることは間違いないようです。
ケアマネさんも人の子ですから、「無理を言った時に素早い対応をしてくれたところに頼ってしまう」とのことです。一方で、「重要な打合せに遅れてくる、すっぽかすという担当には二度と頼めない」、とも仰っていました。ただでさえ忙しいのに、余計な手間を増やすところとは、仕事ができない、ということだそうです。
極々当たり前のことのようで、人材不足が叫ばれる介護・福祉業界ですから、このような現実があるのかも知れません。
ライフサポート事業など、「かゆいところに手が届く」というサービスは、こういった方々に重宝されるのは間違いないと思います。特に2015年の介護保険改正の後、生活支援等は市町村へ移行すると言われています。市町村の予算次第ではサービスの低下、縮小も言われています。この件に関してはケアマネさんも非常に注目・懸念されており、今回のクライアントさんの提供するサービス(=ライフサポート)についても興味を持たれていました。やはり切り口として不可欠なサービスだと思います。